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「マンション発売戸数」を見ると、個人消費の動向がわかりやすい

先日の新車販売台数に続いて、今回はもう一つの重要な個人消費関連指標「マンション発売戸数」を見てみます。
マンション発売戸数とは、民間の不動産経済研究所が毎月公表している首都圏・近畿圏のマンション市場動向に関するデータです。「発売戸数」「契約率(実際に売れた戸数の割合)」の他、「発売単価」「即日契約率」などの指標があります。

下記グラフでお分かりのように、発売戸数には季節性があります。ボーナス時期に合わせて販売戦略が組まれる12月が年間で最も大きくなります。昨年の9月に契約率・販売戸数共に急増しているのは、増税前の消費税率が適用される9月末までに買わなければと焦った人が多かったことが理由のようです(実際にはその後に購入しても増税に伴う住宅ローン減税の拡充などを享受できます。)

そして今年の足もとの状況は、見てお分かりの通り非常に厳しく、契約率は好不調の境目とされる「70%」を切ってきました。消費増税前の駆け込み需要による反動減が長期化している点では、先日の新車販売台数の状況と類似しています。
JPY_CondoSales_2014-08

首都圏マンション発売、8月49.1%減 契約率7割切る
出所:日経 2014-09-16

  • 不動産経済研究所が16日発表した8月の首都圏マンション発売戸数は、2110戸と前年同月比で49.1%の大幅減少。減少幅はリーマン・ショック直後の2008年9月(53.3%減)以来5年11カ月ぶり。消費増税前の駆け込み需要による反動減の影響
  • 首都圏発売戸数が前年実績を下回るのは7カ月連続。前年の8月は同年9月末までに購入契約すれば消費税率が5%で済んだため、駆け込み需要が発生、東京都区部で大型の物件供給数が少なかったことも響いた。
  • 契約率は69.6%と好不調の目安となる7割を下回った。6割台は1年7カ月ぶり。1億円を超える高額物件などが売れた東京都区部の契約率は72.7%だったが、埼玉県(57.1%)や千葉県(68.7%)などで販売不調
  • 特に都内以外の物件の苦戦が目立つ。都区部の発売戸数は49.9%減だったが、千葉県は71.5%減、神奈川県も74.4%減。都区部以外は販売期間が長期化しやすくなっており、開発を敬遠するデベロッパーも出ている
  • 9月の発売戸数は3千戸と前年同月と比べてほぼ半減の見通し。建築費の高騰などを理由に販売に慎重なデベロッパーも増加

「新車販売台数」を見ると、個人消費の動向がわかりやすい

我が国の自動車業界は裾野が非常に広く、日本経済に大きな影響を及ぼしていますが、この関連の代表的指標が「新車販売台数」です。

具体的には、日本自動車販売協会連合会が発表する乗用車の陸運局登録届出台数と、全国軽自動車協会連合会が発表する軽四輪乗用車の販売台数を合計したものです。
(2つの団体の出す数値を足し合わせる、といういかにも日本的にめんどくさい指標ですが)前月分が翌月初には発表されるという、米国雇用統計並に早く発表される速報値なので、足もとの個人消費、景況感を見るうえでとても有効な経済指標です。)

一目瞭然ですが、この指標はとてもはっきりした季節変動がありますね。
また去年後半からの消費税導入前の駆け込み需要、そして消費税増税後の「買い控え」が長期化していることわかります。
ことし後半もこの調子だと、先行きは明るくないです。(再増税は可能でしょうかね。。)
JPY_CarSales_2014-08
なお「新車はなぜ3月に最も売れるか?」というと、ディーラーがメーカーから受け取るインセンティブが、4月~翌年3月までの年度販売台数によって決まるため、3月決算前には販売台数を増やすための値引きが大きくなり一年で一番安くなるため、といわれています。