『リニア新幹線 巨大プロジェクトの真実』などの著者の橋山禮治郎氏へのインタビュー記事を紹介します。
『JR東海一社の問題ではなく、国民全体の資産をどう使うかという大問題。これこそ、国民の合意を得るべく国会で慎重に議論すべき。閣議決定も国会承認もなく進めるのはやはりおかしい。』
『30年後のリニアプロジェクトの完成と運営に責任を持つ政治家も、事業関係者もどこにもいない。』
やっぱりリニアはいらない
出所:日経ビジネス
2014-08-22
- 十分な国民的議論がないまま、急に建設が決定
- 災害対策には不向き
- むしろ東海道新幹線を改良せよ
- そもそもなぜ更なる高速化なのか?
- コンコルドの二の舞?リニアは60年代の技術。アメリカは2年間技術研究をしたけれど、ものにならないと連邦議会が判断して早々に断念。先端技術かどうかよりも、競争にさらされながら既存の技術を使いこなしつつ、現場で着実にレベルを上げていくというのが鉄道の本質
- 需要があるのか?
- 東海道新幹線の乗車率が低いのだから、飛行機のような柔軟な割引運賃制度を導入すべき。JR東海はリニア計画について、「民間企業がどんな開発投資をしようと、とやかく言われる筋合いはない」と考えていると揶揄されかねない態度。民間企業ならそもそも自己負担が前提なのは当たり前。それでいて、実際には民鉄各社には認められない不動産取得税が免除されるうえ、残土処理では沿線自治体に支援を求めている
- JR東海は株式会社だが、ふつうの民間企業ではなく法律で指定される特殊法人の1つ。つまり民間企業の姿をした公的機関、準官庁でしかない
- 国交省は、「JR東海が大丈夫と言っているから大丈夫」といわんばかりの態度
- 全国の鉄道全体、JRの再編を考えるべき
- リニアはJR東海一社の問題ではなく、国民全体の資産をどう使うかという大問題。これこそ、国民の合意を得るべく国会で慎重に議論すべき。閣議決定も国会承認もなく進めるのはやはりおかしい。はっきり国策民営プロジェクトだと位置付けて、責任の所在も明確にしないといけない
- JR東海がどうしても自社の都合でやりたいというのなら、本体から切り離して、SPC(特別目的会社)でやるべき。そうしないと、リニアの赤字を穴埋めするために、従来路線のメンテナンスが不十分になるリスクが払しょくできない
- 30年後のリニアプロジェクトの完成と運営に責任を持つ政治家も、事業関係者もどこにもいない
- リニアはドイツが実用化をやめた技術。それを今になってわざわざ買いに来る国がいるのか?