カテゴリー

このブログに投票いただけるとうれしいです。m(_ _)m

GPIFによる新たな資産構成比率の発表は12月にずれ込む可能性?

米国株のボラティリティの上昇と円安一服で、足元の動きはリスクオフとなっている日本株。マーケットのセンチメントを大きく変えそうな「GPIFの新たな資産構成比率の発表」は、どうやら12月にずれ込む可能性という情報がBoombergから出ています。

伊藤教授:GPIF新資産構成は12月発表も、株買いなど先行なら (2)
出所:Bloomberg 2014-10-08

  • 公的・準公的資金の運用・リスク管理を見直す政府有識者会議で座長を務めた政策研究大学院大学の伊藤教授は、ブルームバーグの取材に対して「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による新たな資産構成比率の発表は12月にずれ込む可能性がある」
  • 同資産構成の見直しをめぐっては、米沢運用委員長が7月のインタビューで、見直し結果は「秋までに公表できる見通しだ」と述べていた。伊藤教授は7日「運用委員会による審議は当初期待していたよりも遅いようだ。GPIFが保有資産の変更を発表前にしてしまうか、発表後に実施するかを議論している。」
  • 仮に新資産構成の発表前に国内債券の売却と日本株式や外貨建て資産の買い増しを実施する場合には、発表は12月まで遅らせる必要がある。また、現時点で望ましい資産構成は国内債が35-40%、日本株が20-25%、外国株式が20-25%とした。
  • GPIFは国内債の削減と収益向上を求める圧力に直面。昨年6月には資産構成を2006年の創立後初めて変更。政府の有識者会議は昨年11月、国内債偏重の見直しやリスク資産の拡大を提言した。政府は今年の日本再興戦略の改定版で、GPIFの資産構成をできるだけ速やかに見直すと明記。
  • 運用資産127.3兆円を抱えるGPIFの資産構成目標値は国内債が60%、国内株が12%、外国債券が11%、外国株式が12%、短期資産が5%。ブルームバーグが5月に実施した予想調査の中央値では、GPIFは国内債の目標値を40%に下げる一方、国内株は20%、外債は14%、外株は17%に増やすと見込まれていた。
  • GPIFが本格化な運用見直し作業に入ったのは7月。米沢運用委員長「公的な存在なので、市場を不必要に荒らすことだけは避けなくてはならない」「このルールを守れて、公表前に売買に動ければ、それが一番良い」「最初に公表してから動く方法もあり得る」
  • CLSA「運用変更をする前に方針内容を発表をすることは、市場の常識からはありえない。また、皆がGPIFが動く兆しを注視しているものの、データからはまだ動いている様子が見受けられない
  • GPIFは4月1日に公表した「平成26年度計画」で、資産構成の見直しを視野に、乖離許容幅「弾力的に適用する」方針を表明。6月末時点の保有実勢は国内債が53.36%、日本株が17.26%、外債が11.06%、外株が15.98%だった。GPIFが目安としている短期資産を5%と仮定した場合だと、構成割合は国内債が51.91%と乖離許容幅の下限を割り込み、国内株は16.79%、外債は10.76%、外株は15.54%となる。
  • 塩崎厚生労働相は9月19日、時間がかかる法改正を運用改革に先行させる筋論に必ずしもこだわらない考えを示唆。安倍首相も同日以降、GPIFの資産構成を「できる限り早く」見直したいと繰り返し言明
  • ロイターは8月「政府・与党関係者が国内債40%、国内株20%超などで調整を本格化させる見通し」。時事通信は10月4日「GPIFが3日に運用委員会を開いて新資産構成の素案を提示したが、公表は11月以降にずれ込む可能性が浮上」

「GPIF」と「2014年秋臨時国会」

2014年秋の臨時国会の目玉をそろそろ紹介していこうと思います。まずはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の改革をめぐる件をメモしておきます。

GPIFリスク資産増には法改正、秋の国会で議論を-塩崎氏
出所:Yahoo Japan!
2014-08-05

  • 自民党の塩崎政調会長代理は5日、GPIFがリスク資産を拡大させるには法改正が不可欠だとの見解を示した
  • 塩崎氏は、GPIFガバナンス改革は厚労省からの独立の意味もあるとした上で、「GPIF改革は内閣官房が音頭を取るべきだ」と述べた。同時に「GPIF改革は株価目的ではない」とした上で、GPIFの収益向上が少子高齢化社会で重要との認識。GPIF改革後は「株式の直接投資も良いのではないか」
  • 公的・準公的資金の運用・リスク管理を見直す政府有識者会議で座長を務めた伊藤政策研究大学院大学教授は討論会で、GPIFの組織統治の本格的改革に向け「複数の専門家による理事会を設置するには法改正が必要」と指摘。「理事会設置で大胆な資産構成の見直しに結び付けていくのが、GPIF改革で残された課題だ」と述べた
  • 伊藤教授は、GPIFのガバナンス改革と資産構成の抜本的な見直しは「車の両輪」と主張。独自の投資戦略で市場平均超えを狙うアクティブ運用や自主運用を大幅に増やすのは「現在のGPIFの体制では無理」と指摘。このため、9月に始まる臨時国会にはGPIF改革法案を提出し、議論してもらう必要がある